阿佐ヶ谷駅の北口側に開店された「たい焼き まめや」さん。
韓国式のたい焼きということで、ホームページを見ると「実はタイではなくコイなんです」と書かれています。
あれ、韓国式のたい焼きはプンオパンといって、直訳すると「鮒焼き」もしくは「鮒パン」のはず。少し調べてみました。


「たい焼き まめや」さんのたい焼き(コイ焼き)

韓国に伝わってフナの形で定着したたい焼き

Wikipediaで確認すると1930年代に日本のたい焼きが韓国に伝わって普及したと記載されていました。
推測ですが、鯛を有難がる日本人とは違い、韓国の人に親しみやすい鮒の形になって定着したのだと思います。

日本でも、千駄木で「果川家」さんという店がプンオパンの店として営業されており、一時は大阪の難波にも支店を出されていたようなのですが、現在は閉店されています。
現在、営業されているのは上野にある「上野たいやき」さん。ひょっとしたら見落としているのかもしれませんが、ネットをざっと見たところ、東京では他に見つけることができませんでした。

フナだけではなくコイもありました

そんな訳で、コイではなくフナだと思ったのですが、Wikipediaの最後にはこんな一文がありました。
『21世紀に入ると、鯉(インオ、잉어)の形をしたインオパンも人気を得ている』
どうやらコイの形のものもあるようです。

モランボン薬念研究所の「キーワードで見る食文化」のプンオパンを紹介した記事には、このような記述があります。

近年のものは、空白鮒の形をした「プンオパン」以外にも、形や餡の種類によって「クックァパン」(菊の形をしたもの)、「オバントッ」(大判焼き)、「パナナパン」(バナナの形をしたもの)、「ノッチャパン」(生地に抹茶を混ぜたもの)、「ホドゥクァジャ」(胡桃の形をしたもの)、「タンコンクァジャ」(落花生の形をしたもの)、「ケランパン」(中に卵が丸ごと入ったもの)などがあり、小ぶりな菊形の昔ながらのプルパンも「昔の」「追憶の」「伝統の」などの枕詞をつけてちらほら出現しています。

モランボン薬念研究所「キーワードで見る食文化」

日本でも色々な型を使った「○○焼き」が各地にあるように、韓国でも様々なバリエーションと名称ができているようです。その中で比較的新しく出てきたのがコイの形をしたインオパン(鯉焼き)ということのようです。

鮒焼きと鯉焼きの違い

韓国文化について紹介されているサイト「ヌルボ・イルボ 韓国文化の海へ」では『[日本では鯛焼きですが・・・] 韓国の鮒焼き(プンオパン)と鯉焼き(インオパン)の違い』で両者の違いを詳しく説明されています。
それによると形だけではなく餡の量や生地の材料、焼き方が違うとのことです。ただ、日本のたい焼きでも店ごとに餡の量も生地の材料も焼き方も差があるので、形以外は明確な差ではないように感じます。

独立した個人店が多い日本のたい焼き店と違い、韓国ではFC(フランチャイズチェーン)に加盟して開店することが多いらしいので、新興のチェーンが従来のブンオパンと差別化するためにインオパンを立ち上げ、作り方も味も違う進化したお菓子としてブランド化しようとしたのかもしれません。それがさらに広まって定着し、その機械を輸入して「まめや」さんが開業されたのではないでしょうか。本当のところはわかりませんが、勝手に想像しています。

また、ネットには画像も出ているのですが、残念ながら、プンオパンとインオパン、韓国の人なら見分けがつくのかもしれませんが、見た目だけではどっちがフナでどっちがコイなのか、いまだにわかりません。

鮒焼き(上)と鯉焼き(下)

いろいろなたいやきで阿佐ヶ谷が盛り上がることを願っています

新しいお店「まめや」さんはフナではなくコイだということがわかりました。フナと疑ってしまったことをお詫び申し上げます。そして、「まめや」さんのおかげで、韓国のたい焼きについて調べる機会ができたこと、感謝しています。
たい焼き店の数が増え、競争が起きてお店とバリエーション増えるのは地域にとって良いこと。阿佐ヶ谷のたい焼きが盛り上がるよう、当店も頑張りたいと思います。