生すいかのかき氷小
果肉を粗く残して仕上げた「生すいかのかき氷」、すいかそのものといった感覚です

7月に入り、暑さも本格的になってきました。この時期に美味しいすいか、ともえ庵ではかき氷に使っています。毎年、実質的には一番人気のこの「生すいかのかき氷」について紹介します。

■自信をもって一番人気のかき氷です

 以前の記事「『生いちごかき氷』ばかりがなぜ売れる・・でも書きましたが、ともえ庵のかき氷の中で今のところ一番売れているのは「いちご系」のかき氷です。でも、いちご系が売れるのは、「氷いちご」という言葉がなんとなく刷り込まれていることや、お子さんに絶大な人気があることから。

わざわざ選んで食べるかき氷、リピートして食べるかき氷として一番人気があるのは、間違いなくこの「生すいかのかき氷」です。

 

■すいかについて

 すいかの原産地はアフリカです。このサイトによると「紀元前5000年にはすでに南アフリカで栽培されており、3000年前のエジプトでも栽培が行われていました。10世紀には中国に伝わり、日本には16世紀後半頃に渡来した」とのこと。現在、すいか生産の上位5か国は、中国、イラン、トルコ、ブラジル、エジプトだそうです。

 日本国内でも広く栽培されています。生産量は、熊本県、千葉県、山形県、鳥取県、新潟県の順になります。熊本県のすいかが有名ですが、シェアで見ると17%程度なので、幅広く全国で生産されていることがわかります。

 

 すいかには、大玉のものと小玉のものがあり、それぞれ品種がありますが、品種名で流通することはあまり多くありません。ともえ庵では扱いやすく美味しいと思っているので大玉のすいかを使用していますが、他所の店では小玉のすいかを半分に割り、中の果肉を残しつつ上にかき氷を盛り付けて提供し、人気となっている店もあります。

 また、球体ではなく楕円状になっているすいかや果肉が黄色いすいか、最近有名になりつつある皮の部分に縞がない高級すいか「でんすけ」などの種類もあります。

 

 なお、すいかは厳密には果物ではなく野菜です。樹木になるものが果物で、草木にできるものは野菜と分類されるからです。とはいえ、生活習慣上は完全に果物として食されているので、メロンやいちごなども含めて「果実的野菜」と扱われています。

 

■すいかについては、あえて産地や種類にこだわりません

 ともえ庵ではかき氷の材料としていくつかの果物を使っています。その中には山口県産の夏みかんや広島県産のレモン果汁、大分県産のさぼす果汁などのように産地にこだわっているものもありますが、すいかについてはあえて産地にはこだわらないようにしています。品種についても、大玉のものとは決めていますが、それ以上にはこだわっていません。

こだわっているのは、鮮度が良い旬なものを使うことです。すいかは味とともに食感を楽しむ果物です。その食感は、少し古くなると急速に損なわれる“足が速い”ものなので、産地ごとの旬の時期が重要だと考えているからです。

すいかは北海道から九州まで広く栽培されていますから、その時期により一番美味い産地のものを少しずつ仕入れて使うようにしています。

 

すいか素材
すいかは少しずつ仕入れ、その時期に美味しい産地のものを使っています

■すいかの味をそのまま生かしています

 すいかをかき氷のシロップにする手順はシンプルです。

 まず、皮から果肉を外します。すいかの果肉は中心の味が濃く、皮に近いほうが薄いので、少しもったいないのですが、皮には厚めに果肉を残すようにしています。そして、手作業でタネをすべて取り除きます。

 次に、果肉を半分に分け、片方をミキサーでできるだけ細かく砕きます。すいかは水分が多いので、果肉がほぼ感じられなくなり、美味しいすいかジュースという状態になります。

ただし、このままかき氷のシロップにすると、水っぽい感じになります。氷はもともと水なので、かき氷に果汁をかけるのは、水で薄めていると同じことだからです。なので、この果汁に砂糖ベースのシロップで甘さを加えます。

 それでも加える砂糖ベースのシロップは最低限に抑え、すいかの自然な美味しさを感じられるようにしています。

 次に、残った半分の果肉を加え、もう一度ミキサーで撹拌します。二度目の撹拌は、ほんの一瞬、すいかの果肉が粗く残るように仕上げます。

 こうすることで、氷全体にすいかの味が行き渡りつつ、すいかの食感が残るかき氷になります。

 

■「凍らせたすいかを削っているでしょ」と何度も言われました

 こうしてできたかき氷を口にすると、最初に氷の冷たさとともにすいかの風味と美味しさが感じられますが、次の瞬間には口の中で氷が溶けて消え、シャクシャクとしたすいかの食感が残ります。

 先ほど説明した通り、少しだけ砂糖ベースのシロップを加えているのですが、食べると本当にすいかの味がそのままのように感じます。お客さんから「このかき氷は、凍らせたすいかの実を削って作っているでしょ」と尋ねられることもしばしばあるくらいです。

 

 

「生すいかのかき氷」は、このようにシンプルなものですが、それだけに簡単には真似ることができない仕上がりになっていると思っています。

 ぜひ、一度はお試しいただきたいかき氷です。